●GLP1（インクレチンの一種のホルモン）は小腸下部と大腸上部にあるＬ細胞を短鎖脂肪酸（酪酸、酢酸、プロピオン酸）が刺激することにより分泌されます。

●GLP1はすい臓のランゲルハンス島のβ細胞に働きかけインスリンの分泌を増加させます。その際には低血糖になることはありません。

●GLP1はすい臓のα細胞に働きかけ、グルカゴンの分泌を抑制して血糖値の上昇を防ぎます。

●小腸や大腸から分泌されたＧLP１は脳の脳血液関門を通過して、食欲を抑制するのでダイエット（体重減少）に働きます。

●GLP1には胃排泄遅延作用といい、食べ物が胃に留まる時間が長くなり、ゆっくり排出する作用があります。

●腸の蠕動運動が活発になり、便秘症の改善につながります。

●GLP1は大腸からのミネラルの吸収を促進させます。

●糖尿病の合併症を起こすリスクを下げます。

●糖尿病でお悩みのあなたが食事の中で、食物繊維やオリゴ糖や短鎖脂肪酸である酪酸（ぬか漬け）やりんご酢やお酢（酢酸）を摂ります。

●すると食物繊維やりんご酢やお酢の成分である酢酸が小腸のL細胞を刺激してGLP1が分泌されます。

●次にあなたの大腸では、食物繊維やオリゴ糖が善玉菌のエサになり分解され、短鎖脂肪酸が生成されます。そして生成された短鎖脂肪酸が大腸の上部のL細胞を刺激してGＬP１が分泌されます。

●次にGLP1はすい臓のβ細胞に働きかけてインスリンを分泌させます。すると高くなっている血糖値が下がってくるのです。（血糖降下作用）

●タンパク質にはブドウ糖が含まれていないので血糖値は上がりません。しかしインスリンは分泌されるのです。

最初に食べる食材

●最初にタンパク質や脂質を食べます。タンパク質を食べると血糖値は上がりませんがインスリンが少し分泌されます。

●お野菜を最初に食べると血糖値は上がりませんがインスリンの分泌もないのです。

２番目に食べる食材

●お野菜など食物繊維が豊富な食材を食べます。

３番目に食べる食材

●最後に糖質を食べます。

●このような順序で食べることで、インスリンの分泌がされた後に糖質を食べるので高血糖また糖尿病になることを防ぐことができるのです。

●食事をするとすぐにインスリンが分泌されます。

●大麦、オートミール、ワカメ、納豆など

●大麦は世界中のあらゆる穀物のなかで水溶性食物繊維が一番多いのです。

●糖尿病の改善には大麦100％のごはんをお勧めします。

●100グラム中の水溶性食物繊維について

大麦：6.0g　オートミール：3.2g　精白米：0g　玄米：0.7g

●肥満や脂肪肝になりインスリン抵抗性になることがすい臓のα細胞から分泌されるグルカゴンによる血糖値の上昇の原因になります。

●水溶性食物繊維が不足すると、腸内で短鎖脂肪酸が不足して腸のL細胞の刺激が減少します。するとＧLP１の分泌が減少するためグルカゴンの分泌が上昇するのです。

●血糖値スパイクにより低血糖になるとすい臓のα細胞から血糖値を上昇させるグルカゴンが分泌して肝臓や筋肉に蓄積されているグリコーゲンをブドウ糖に変換して血糖値を上昇させます。

●すい臓のランゲルハンス島のα細胞から分泌される血糖値を上げるホルモン。

●肝臓のグリコーゲンをブドウ糖に変換させる糖新生を促進させます。

●肝臓にある脂肪を分解して血液中の遊離脂肪酸を増加させます。

●私たちは食事でいろいろな食べ物を食べてその中の糖質をブドウ糖に分解して、そのブドウ糖をエネルギー源として生命を維持しています。

●しかし現代の食生活ではあまりにも糖質過剰であり、常に血液中には過剰な糖が溢れている状態です。

●その過剰の糖質を処理するためにすい臓からインスリンが分泌されますが、あまりにも高血糖のためすい臓が働きすぎで弱ったりインスリンの効き目が悪くなったりして糖尿病の原因に繋がります。

●同時に血液中の過剰の糖質がお身体のタンパク質と結合して猛毒のAGE（終末糖化産物）を作ります。AGEは老化、病気、体調不良の原因になります。つまり糖質過剰は①糖尿病の原因になったり、②AGEの原因になるのです。

●私たちは生命を維持するために呼吸をして酸素を摂り入れてエネルギー源としています。呼吸から吸収する酸素の２～３パーセントは活性酸素になります。

●その活性酸素は私たちの身体の脂質である中性脂肪やコレステロールなどを強力な力で酸化し過酸化脂質が産生されます。

●過酸化脂質はお身体のいろいろな細胞を次々に酸化しながら傷付けていき老化の大きな原因にもなります。

●酸化の原因になる活性酸素は生命維持に必要不可欠な酸素からでき、糖化も生命維持に必要不可欠な糖が原因になる点では共通していて、糖化と酸化はお互いに影響しながら常に同時進行しているのです。

●一般的には空腹時の血糖値で診断することが多いと思いますが、もっと重要なのは食後の血糖値です。

●食後は余った糖が血液中に溢れている状態です。食後に高血糖になっているかどうかを確認することが大切です。空腹時の血糖値の測定だけでは十分ではありません。

●糖尿病の前兆としては、発症する約５年前から食後の血糖値が上昇すると言われています。この前兆は空腹時の血糖値ではわからないのです。

●インスリンはすい臓のランゲルハンス島から分泌されるホルモンで、血糖値を一定に保つ働きがあります。

●インスリンの分泌量がへったり、質が悪くなったりすると血糖値が高い状態が続き糖尿病の原因になります。

●グルカゴンはすい臓のα細胞で産生され血糖値を上昇させる働きがあります。

●グルカゴンの作用で肝臓に貯蔵されているグリコーゲンはブドウ糖に分解されたり、またアミノ酸からブドウ糖を生成して血糖値を上昇せえます。

●コルチゾールは副腎皮質から分泌されるホルモンで生命を維持するのに絶対に必要な重要なホルモンです。

●コルチゾールはアドレナリンやグルカゴンの働きを高め、肝臓での糖新生を促進させます。

●またコルチゾールは筋肉や脂肪細胞でのインスリン抵抗性を促進させるために血糖値を上昇させます。

●コルチゾールの働き（血糖値の上昇を伴います）

・肝臓での糖新生

・筋肉での代謝によるブドウ糖の産生

・脂肪細胞での脂肪の分解

・消炎作用

・免疫抑制作用

●成長ホルモンは脳下垂体から分泌され、脂肪を分解して遊離脂肪酸にします。

●遊離脂肪酸はインスリンの働きを抑制するので成長ホルモンが多く分泌されると血糖値は上昇します。

●アドレナリンは副腎髄質から分泌され、すい臓のβ細胞に働きかけてインスリンの分泌を抑制します。

●またグルカゴンの分泌を促進したり肝臓でのグリコーゲンからブドウ糖を生成するのを促進し、血糖値を上昇させます。

●甲状腺ホルモンは甲状腺で作られて血流に乗って全身を巡り、全身の代謝を活発にさせます。

●甲状腺ホルモンの作用で肝臓では糖新生が行われるのでブドウ糖が増加して血糖値が上昇します。

●お身体はいろいろなホルモンを合成して分泌しています。すい臓が分泌するインスリンは血糖値を下げる働きをします。

●しかしインスリン以外のホルモンのアドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾール、成長ホルモン、メラトニン、グルカゴンなどはすべて血糖値を上げる働きをします。

●その理由について考えてみると、人間の数十万年の歴史ではほとんど飢えの時代が続き、現代とは全く違い甘い食べ物を食べる機会はほとんどなく血糖値を下げる必要性が皆無に近かったためなんです。

●その時代の人間は常に空腹であるのが普通であり、そんな時に危険な動物や他の部族と戦ったりする時には血糖値を上げて戦う準備をする必要があり、そのためにインスリン以外のすべてのホルモンは血糖値を上げる働きがあるのです。

●すい臓が分泌するインスリンは、血液中の糖をお身体の各細胞へ取り込ませて細胞内でのエネルギー産生の原料にしたり、また血液中の血糖値を一定に保つ働きをするホルモンです。

●すい臓が分泌するグルカゴンは血液中の血糖値を上げる働きをします。

●すい臓が分泌するこの２つのホルモンの働きにより、私たちが食事でお身体に糖が入ってくる時も空腹の時も、また運動をして糖を使っている時も寝ていて少しづつ糖を使っている時も血糖値が一定値になるように働いています。

●このような血液中の血糖値が一定にならないと糖尿病になったり、糖化により血管が傷むことで３大合併症の原因にもなります。

●私たちが食べた甘い食べ物やジュースや炭水化物は消化されて最終的にブドウ糖になり小腸で吸収されます。

●ブドウ糖は血流に乗り肝臓に入り、その一部はインスリンの働きによりグリコーゲンとして肝臓に蓄えられます。

●その他のブドウ糖はまた血流に乗り全身を巡り、一部のブドウ糖はインスリンの働きにより筋肉細胞などにグリコーゲンとして蓄えられます。

●その他の余ったブドウ糖はインスリンの働きにより脂肪細胞に取り込まれて脂肪として蓄えられます。この過程でブドウ糖の取り込みが順調にいかない場合は血液中にブドウが余った状態になり血糖値が上昇して糖尿病の原因になります。

●糖質の吸収されやすさの指標としてGI値があります。最も吸収が早く血糖値を上げるブドウ糖のGI値を100とし、ある食品の血糖値がどのくらい早く上昇するかを数値として示します。

●具体的には、GI値が高い食材を食べた場合は血糖値は急上昇し、反対にGI値が低い食材を食べた場合は血糖値は緩やかに上昇します。

●日常的に高いGI値の食材を食べていると、常にすい臓からインスリンの分泌が続き、すい臓も疲弊してインスリンの質が低下したり各細胞への効き目が悪くなります。

●またインスリンには血糖値を下げる働きだけでなく、脂質を脂肪細胞に取り込む働きもあるので、GI値の高い食材を摂るすぎると肥満や糖尿病になる原因になります。

●2016年の厚生労働省の調査によると、「糖尿病が強く疑われる人」は約1,000万人「糖尿病の可能性を否定できない人も約1,000万人で合計2,000万人が血糖値の問題を抱えているのです。

●糖尿病のほとんどは２型糖尿病で、２型糖尿病では食後に上がった血糖値を下げるためにすい臓のランゲルハンス島から適量のインスリンが十分に分泌されないか、お身体の各細胞のインスリン受容体の働きが不十分である状態を言います。

●１型糖尿病の原因は、免疫システムが異常になり自分の免疫細胞がすい臓のβ細胞を攻撃してインスリンの分泌が完全にできなくなったこと。

●１型糖尿病は糖尿病患者全体の３～５％で２０歳以下の若年層がかかりやすく、突然発症して急激に進行します。

●健康なお身体の空腹時は血糖値70から100mg/dl,食後の上昇時は100～140mg/dlで、この範囲を維持することが理想的です。

●ヘモグロビンA1cは血液中のヘモグロビンに糖質が付着して糖化（AGE)した状態のものを言います。

●ヘモグロビンA1ｃは血糖値と相関関係があり、血糖値のコントロールの指標として使われます。

●血糖値が高くなるとヘモグロビンA1cの数値も上昇し、過去１～２カ月の血糖値を反映します。

●一般的には空腹時の血糖値で診断することが多いと思いますが、もっと重要なのは食後の血糖値です。

●食後は余った糖が血液中に溢れている状態です。食後に高血糖になっているかどうかを確認することが大切です。空腹時の血糖値の測定だけでは十分ではありません。

●糖尿病の前兆としては、発症する約５年前から食後の血糖値が上昇すると言われています。この前兆は空腹時の血糖値ではわからないのです。

●最近の日常生活では、いろいろな事が原因となり活性酸素がお身体に発生しやすくなっています。

●活性酸素は自分自身が不安定な構造なので、血液中のコレステロールや中性脂肪やお身体中の細胞の細胞膜の不飽和脂肪酸（オメガ３，６）を酸化させることで自分自身を安定させます。

●コレステロールや不飽和脂肪酸が活性酸素により酸化すると過酸化脂質という物質が生成され、活性酸素と同様に過酸化脂質もお身体中の脂肪をどんどん酸化させ、またお身体からなかなか排出できない厄介な物質なんです。